こんにちは、倉本です。
私が大好きなイギリスの覆面アーティスト・バンクシー。その彼が新作を公開しました。
今回「作品発表現場」となったのは、ロンドンの地下鉄車内。
新型コロナウイルスの感染をテーマとしたネズミの絵を描く様子が、バンクシー本人のInstagramにupされています。
公開された動画には、消毒作業員に扮したバンクシーが地下鉄の車内にスプレー塗料で落書きしていく様子が収められています。
くしゃみで大量の飛沫を飛ばすネズミ、マスクをパラシュートにするネズミ、消毒液を持っているネズミ……。
コロナウイルスによる飛沫感染を風刺しつつ、マスク着用を促している作品です。
動画の最後に映し出されるのは、駅の壁に書かれた「ロックダウンされて」という文字。
その手前で、「それでもまた起き上がる」と書かれた車両のドアが閉まります。
作品が発見された数時間後には、ロンドン交通局により消されてしまいました。
もくじ
バンクシーっていったい何者?
たびたびニュースで話題となるバンクシー。
2019年には「東京に現れたかも!」と騒がれ、あの小池百合子都知事もツイートするほど。
あのバンクシーの作品かもしれないカワイイねずみの絵が都内にありました! 東京への贈り物かも? カバンを持っているようです。 pic.twitter.com/aPBVAq3GG3
— 小池百合子 (@ecoyuri) January 17, 2019
いったい、バンクシーとは何者なのでしょうか?
正体不明の覆面アーティスト
イギリスを拠点としていること以外、素性が一切不明のバンクシー。
どのような人物なのか、憶測でしか語られていません。
ネット上では、「ひとりではなく、集団なのでは?」といった声も。
彼のストリートアートは、ステンシルアートと呼ばれる、型紙を用いたグラフィティが特徴です。
反戦、反暴力、反体制、反資本主義などをテーマに、街中の壁などに作品を描いています。
バンクシーが世間に登場したのは、2000年代初頭。
以来、強いメッセージ性を持った作風に世界中の人たちが魅了されてきました。
イギリス国内だけでなく、世界中に現れては作品を残していくバンクシー。
まさに神出鬼没で、そのパフォーマンスは「芸術テロリスト」「ヴァンダリズム(破壊行為)」とも称されています。
バンクシーを有名にした数々の逸話
大英博物館に作品を無断展示
2005年、バンクシーは大英博物館に侵入し、自身の作品を無断で展示しました。
『街外れに狩りにいく古代人』と付けられたこの作品。
バンクシーが公表するまでの3日間、一般客はおろか館内の職員すら、展示されていると気付きませんでした。
In 2005, #Banksy installed this ‘cave painting’ in one of our galleries without permission, and without anyone noticing. He gave it a fake ID number and label, and it remained on the wall for 3 days before the Museum was alerted to the prank via Banksy’s website!?♀️ #IObject pic.twitter.com/ed4rq8YxbJ
— British Museum (@britishmuseum) August 30, 2018
2018年になり、大英博物館はこの作品を公式展示すると決定。
この他にもバンクシーはメトロポリタン美術館などにも無断で作品を展示し、一連のパフォーマンスで彼は「芸術テロリスト」として有名になっていきました。
オークションでのシュレッダー事件
2018年、ロンドンの老舗オークションハウス「サザビーズ」にて、バンクシーの作品が競売にかけられました。
104万ポンド(約1億5,000万円)と高額で落札されるも……。
取引が成立した途端、額縁に隠されていたシュレッダーが起動し、絵が裁断されてしまいました。
Instagramにて、バンクシーが額縁にシュレッダーを仕掛ける様子が公開されています。
当時のネット上では、「バンクシーによるイタズラ」「ストリートアートをオークションで高額売買することへの反論」と議論が巻き起こりました。
イチオシのバンクシー作品「Dismaland(ディズマランド)」
バンクシー好きの私がオススメしたい作品は、「Dismaland(ディズマランド)」。
バンクシーがプロデュースした悪夢のテーマパークです。
2015年8月22日から9月27日まで、期間限定でイギリス・サマセット州のウェストン=スーパー=メアにて開催されました。
バンクシーを含む、計58名のアーティストによる作品が展示されたこのテーマパーク。
Dismal (「憂鬱な」「陰気な」) とLand (「世界」) を組み合わせたDismalandは、その名の通り来場者を憂鬱にさせる展示・仕掛けが盛りだくさんでした。
パパラッチに追い回されて事故死するシンデレラ。
故ダイアナ妃の悲劇をモチーフにしたとも言われています。
不機嫌で無気力なスタッフ。
現地へ遊びに行った人によると、「スタッフの愛想が悪すぎて、入園前から憂鬱になった」と(笑)
見覚えのあるネズミや……
あのモンスターも、風刺の材料にされています。
でも開催場所がロンドンから結構離れていて、諦めちゃったんですよね……。
「子供には不向きなファミリー・テーマパーク」をコンセプトに企画・開催されたDismaland。
ダークで歪んだものが大好きな私には、全てが刺さったテーマパークでした。
バンクシーの次回作はどこで?
世界各国で突然現れては作品を残していくバンクシー。
次回の「発表現場」と作品にも期待が高まります。
そんなバンクシーの作品を日本でも見られるチャンスが!
2020年9月27日まで、横浜・アソビルにて「バンクシー展・天才か?反逆か?」が開催されています!
バンクシーの世界観を追体験できる本展覧会、横浜だけでなく大阪でも10月開催予定です。
<参照元> バンクシー公式HP、バンクシーInstagram、バンクシー展公式HP
大学院で歴史学を研究しつつフリーライターとして活動中。研究してない研究者代表。
福岡県出身。関西に魂を売ってしまった女。
小難しい話はもちろん、美味しいもの・可愛いもの・キレイなものが好き。
「日本全国、隣町」を掲げるアクティブ人間。