コロナと戦っている看護師にインタビュー【後編】

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前編では、主に医療現場の現状について答えてもらいました。後編では、新型コロナとはどんな病気なのか、罹患するとどうなるのかを聞いていきます。

前編はこちら↓

 

新型コロナウイルスの治療について

――そもそも新型コロナについてわかっていることってなにかあるんですか?

A:何一つわかっていないというのが正しいと思います。論文を読んだりドクターと勉強会をしたりしていますが……。報道などで、新型コロナウイルス感染者の中に「周囲に感染させる人」と「させない人」がいると伝えられていますが、その可能性が高いと言える程度です。
また、若い人は軽症で済むなども、現段階の統計での話なので確定的とは言えません。

――何もわからないまま戦うのは怖いですね

A:そうですね。あっという間に病状が悪くなるのも怖いです。さっきまで元気に話していた人が急に悪くなり、ICU行きになることもありますし。

――急に重症化するというのは、新型コロナの特徴と言えそうですか?

A:あくまで体感なので、そうですとは言いにくいですが、インフルエンザなどとは違う気はします。

――特効薬がない状況ですが、治療はどのように行っているのですか?

A:看護師なので細かい治療についてはあまり言えませんが、薬は主にアビガンを使用しています。
しかし、アビガンも基礎疾患があったり、発熱、酸素投与が必要だったりする人だけです。軽症者や無症状者は経過観察のみです。

 

アビガンについて
新型インフルエンザ治療薬として開発された薬。
新型コロナウイルスに有効であるという報告が多数あり、日本でも治験として投与されている。妊婦に投与すると胎児が奇形になる可能性があるなど副作用も大きい。

 

――軽症者にアビガンなどの薬は使わないんですか?

A:吐き気などの副作用が出やすいので、軽症者に使用すると逆にしんどいと思います。

――では、軽症者は基本的に経過観察。中~重症者は、悪くなっていくにつれてアビガンの使用⇒酸素投与⇒気管挿管(人工呼吸器)⇒人工心肺装置(ECMO)という流れ?

A:はい。基本的な流れはそうです。

――平均的な入院日数はどれぐらいですか?

A:人によってかなり差があるので何とも言えないです。軽症でも2週間以上はかかりますね。

――最短で2週間ですか?

A:そうですね。軽症だと1週間後ぐらいに2回PCR検査をして、2回とも陰性ならば退院なのでそれぐらいです。ただ、現在は症状が改善した人はホテルへ行くので、現状が変わっていたらすいません。軽症以外の人は、中等症から重症化する人と症状が改善する人でバラつきがあるので何とも言えないです。

――重症化していく人の割合は?

A:酸素が必要になってくる中等症の人が2割ぐらい。ICUに入るような重症の人が1割以下ですね。

――厚生労働省のデータでも、集中治療が必要な人は2.5%程度ですね。

(括弧内は前日からの変化)※ 今までに重症から軽~中等症へ改善した者は57(+1)名
※5 退院した者のうち914名、死亡者のうち74名については、個々の陽性者との突合作業中。従って、入退院等の状況の合計とPCR検査陽性者数は一致しない。
厚生労働省HPより引用(20204/27日現在)

 

――重症から回復した人が少ないように感じますが、重症化すると回復は厳しい印象ですか?

A:そうですね。重症化する人は基礎疾患を持っている人や高齢者が多いので、人工呼吸器や人工心肺をつけると外せなくなる印象はあります。実際ICUから戻ってきた人は少ないです。

 

気管挿管(人工呼吸器)や人工心肺装置(ECOMO)のリスク
気管挿管(人工呼吸器)や人工心肺装置の装着には、様々なリスクがある。
特にもともとの心肺能力が低下している高齢者や基礎疾患のある人は、人工呼吸器を外せなくなることや再装着が必要となることもある。装着期間が伸びる、再装着となれば死亡リスクも上がる。

 

入院生活について

――入院するとどんな生活になるんでしょうか?他の病気との違いはありますか?

A:隔離して治療するというところでは、他の感染症と変わらないです。
ただ、持ち込んだものは、退院したら自宅で消毒してもらっています。なので、持ち込みは最小限にした方が良いですね。タオルなどを捨てていきたいという人もいますが、自宅で捨ててもらっています。

――面会もダメですよね?

A:そうですね。家族と住んでいる人はもれなく家族も入院か自宅待機のパターンが多いですしね。

――ちいさいお子さんが入院してもダメですか?

A:ダメですね。ただ、家族も一緒に入院となったら同室にするなど配慮はします。ホテルでの隔離生活については、どうなっているのか分からないですが。

――食事は普通食?

A:基礎疾患がなければ普通食です。あと、私の病院では週に1回患者さんに欲しいものを聞いて売店までおつかいをしています。

――それはありがたい制度ですね。

A:無症状の人は元気なので病院食じゃ物足りないんでしょうしね。「今から出前頼むから!」 と言われたときは驚きましたけど(笑)

――やりますね。その患者さん。

A:普段元気で病院に関わりのない人が入院するので、ダメなことがわからないんでしょうね。音楽をガンガンにかける人もいましたし。病院をホテルと勘違いするな! と思います。

――それは大変そう。皆さん、入院生活は大人しく過ごしましょう。

看護師から世間に伝えたいこと我々から医療者に伝えたいこと

――他に一般の人に向けて伝えたいことはありますか?

A:外出るな!この一言だけです。外に出ないだけで人助けができます。逆に、外に出ると自分は無症状で他人にうつしているかもしれない。そう考えてほしいです。あとは、医療者に少しで良いです、温かい言葉をかけてあげてください。せめて、責め立てるようなことはやめてください。お願いします。

――ありがとうございます。実は今回、インタビューが決まった時に少しでも力になれたらと思い、Twitterで応援メッセージを募集しました。
一つ一つ紹介したいのですが、量が多いのでリプライ欄からお願いします。応援メッセージをくれた皆さんもありがとうございました。

A:えっ、ありがとうございます。励みになります。他の同僚にも教えます。

――やめて。Twitterアカウントバレちゃう(笑)本当に今回は忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました。

A:いえいえ、私もテレビ電話ですが、良い気分転換にもなりました。
記事を見て「ココがわからない!」という人がいれば、いつでも答えられる範囲で答えます。

おわりに

今回、前後編にわたり、医療の現状や新型コロナウイルスについてお話を伺いました。

前編冒頭でお話したように、みなさんに医療の現状を知ってもらい、医療従事者、一般の方みんなでこの困難に立ち向かっていけたらと思います。
また、未知なものは怖いです。だからこそ新型コロナウイルスについて皆さんにもっと身近に知ってもらえたらと感じます。
私の未熟なインタビュー、文章でどこまで皆さんに伝えることができたかわかりません。
しかし、最後にAさんも言ってくれましたが「こんなことを知りたい」といつでも言ってもらえれば、医療現場からの真実を伝えていきたいと思います。