秋から冬にかけて多くなってくる引っ越し。
進学や就職・転職に結婚など、ライフスタイルの変わり目に引っ越しは付きものです。
しかし、引っ越しで気になるのがご近所付き合い。
近所との関係も希薄になりつつある現代社会ですが、隣人トラブルの報告はいつの時代も絶えません。
物件選びを間違えると、とんでもないトラブルに巻き込まれることも。
実際に起こった隣人トラブルを参考にしながら、賃貸マンションを選ぶ際の注意点について解説していきます。
もくじ
テナント付きマンションでの騒音トラブル
賃貸マンションの1階がテナント物件の場合、店舗の改装工事音や騒音に悩まされることがあります。
塾やカルチャースクールが入居していると、生徒の声が響くといった報告も見られます。
騒音だけでなく、「飲食店テナントによる害虫被害・匂い被害」が生じるパターンも。
実際に騒音被害に悩まされたAさん(20代・男性)の体験談をご紹介します。
テナントの工事音で不眠に
マンションの2階に住んでいた時の話です。
1階にテナントが入ることになり、その改装工事に悩まされました。
壁にドリルか何かを打ち込む音や振動がひどく、家自体が揺れて響く感じで、本当にうるさかったです。
はじめの2週間程度は「日中だけだし仕方ないか」と思っていたのですが、夜でも作業が続く日が出てきました。24時になっても止まらない日が3日続いたので、さすがにクレームを言いに行きました。
工事現場の人には「もうすぐ終わるんで!」と言われたものの、それから1時間くらい同じ状態が続いたので、止める気はないんだなと思いました。
工事が終わる最後の1週間は、眠れなくて仕事にも支障が出て地獄でした。
不動産に問い合わせても、「1階と2階以上で管理会社が違うからどうにもできない」と言われてしまい、終わるまで待つしかありませんでした。
泣き寝入りして耐えるしかなかったというAさん。
Aさんが遭遇したトラブルのように、「管理会社が異なるため対処しようがない」ケースもあります。
テナント付マンションへの引っ越しを検討している人は、管理会社もしっかりチェックしておきましょう。
女性のひとり暮らし、同棲カップルにまつわるトラブル
女性でひとり暮らしを考えている人ならば、防犯・セキュリティがしっかりした物件を選びたいですよね。
しかし内見の際には、「隣人がどんな人物か・どんな人が住んでいるのか」まで確認しておいたほうがベストです。
大学生のBさん(20代・女性)が遭遇したのは、隣室からの騒音被害でした。
隣人カップルの大ゲンカ
生活音を気にしたくないので、RC構造(鉄筋コンクリート)のマンションを選んで住んでいました。
ほぼ上下左右からの音もなく快適だったのですが、隣に若いカップルが引っ越してきてから争いごとの声が聞こえ始めました。
女性が泣き叫んだり怒声が聞こえてきたりして、ちょっと異常な感じ。
そのうち深夜や明け方にも長時間争う声が聞こえてくるように。
タイミングが悪いことに、難関の資格試験を控えていた時期で、自宅でずっと勉強してたんです。
集中して勉強していても、争いごとが始まると全く集中できず、イライラして限界でした。
最初はクッションや消しゴムを壁に投げると少しおさまっていましたが、しばらくするとまた再開。
あまりに腹が立って、「いい加減にしてください」といった内容の紙をポストに入れました。
でも効き目はなく、カップルが引っ越していくまで騒音は続きました。
ひとり暮らしだし、もし怒鳴り込まれていたら危なかったので、管理人に相談すべきだったなと思います。
RC構造(鉄筋コンクリート)マンションであっても、中には「部屋を区切っているのは石膏ボード」という物件もあります。
その場合、外からの音は遮断できても、隣室からの音は木造マンションと同じです。
石膏ボードを使用しているRC構造マンションは、そのエリアの相場より家賃が安いという特徴を持っています。
詳細な内部構造について不動産・管理会社側は把握していないことも多いので、「相場より安い物件には何かある」と考えておくとよいです。
また、Bさんのように直接クレームを入れるのはオススメしません。
相手に逆上され、嫌がらせを受けることもあります。
特に女性の場合は身の危険に繋がるので、クレームを入れる際は必ず大家や管理会社を通すように心がけてください。
カップルでの同棲や友人とのルームシェアを考えている人は、自分たち自身がトラブル元となる可能性も潜んでいます。
無用なトラブルを避けるためにも、喧嘩や話し声のボリュームには十分注意しましょう。
賃貸マンションでの生き物トラブル
物件選びの際には、周辺環境のチェックも重要です。
治安の良し悪しはもちろん、近隣物件についても調べておくとトラブルを回避できるかもしれません。
動物が苦手で、ペット禁止のマンションを選んだというCさん(30代・男性)。
しかし、予想外のところからペットの鳴き声が聞こえてきたそうです。
犬の鳴き声でノイローゼに
そのせいで犬の鳴き声に悩まされました。
毎日深夜まで大きくて低い声で吠えている犬や、多頭飼いしている部屋もあったようで、一匹が吠えると鳴き声の大合唱。
それが長時間続いて、うるさくてたまりませんでした。
ひどい時は、駐車場に入ってきた車の音にも吠えていて、車が止まった後も鳴き声が続いていました。
最初は悩んでるのは我が家だけかと思っていましたが、ゴミ捨ての時に会った同じ階の家族も悩んでいると言っていたので、みんなが迷惑しているようでした。
自分たちのマンションを管理している所に相談しても、「騒音を出してるのは犬の泣き声だけじゃないから言ったらキリがない」「隣のマンションだから私達からでは何も言えない」と言われ、諦めざるをえなかったです。
ペットが苦手な人・鳴き声が嫌な人は、両隣や向かい側・裏側の物件がペットOKか調べておきましょう。
マンション名でネット検索すると不動産情報が出てくるので、たったひと手間かけるだけでトラブルを回避できます。
可能であれば夜間に物件周辺を歩いてみて、騒音や治安をリサーチするのもオススメです。
引っ越しの物件選びは慎重に。不安要素は不動産に聞いてみよう
今回ご紹介した体験談のように、入居後の隣人・騒音トラブルは簡単に解決しにくく、「諦めて耐えるしかない」というケースが目立ちます。
「せっかく引っ越したのにまた引っ越し……」とならないように、物件選びとリサーチには力を入れたいところ。
物件探しの際に気になった点などは、積極的に不動産屋へ質問するのがベストです。
しかし、「対面では質問しにくい」「来店時には質問が浮かばなかったけど、後日検討していて気になることが出てきた」という人もいるでしょう。
忙しい現代人にとって不動産屋に何度も足を運ぶのは難しく、なかなか時間が取りにくいですよね。
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大学院で歴史学を研究しつつフリーライターとして活動中。研究してない研究者代表。
福岡県出身。関西に魂を売ってしまった女。
小難しい話はもちろん、美味しいもの・可愛いもの・キレイなものが好き。
「日本全国、隣町」を掲げるアクティブ人間。