メンズポールダンサーとして活躍するCIMAさんの魅力に迫る連載第2回目。
前回の記事では、ポールダンサーに転身したきっかけやポールダンス界の裏側について語っていただきました。
今回は、CIMAさんのパフォーマーとしての考えや「ビジネスマン」としての側面にクローズアップしていきます。
ポールダンスを始めて半年で大会に入賞
とりあえずチャレンジしていって、自分が今どれくらいの実力で、どれくらいの幅で進めるかって逆算して……どの期間でやろうかなってゴール設定を決めていたから、それに向けての計算でしたね。
本にもよく書いてあるけど、ゴールから逆算するってどういうことなのか分からなくて……やりたいことが見つかって初めて逆算できましたね。
お金を稼ぎたいとか、目標がある人は逆算も早いのかな。
それまではポールを始めてから半年で周りも見えていなかったし、自分がどう上手くてどう下手なのかも客観的に見れていなかったんです。
その時は嬉しいとか感じなかったんですが、後になって落ち着いて考えた時に、「3位って嬉しいな」って整理ができました。
自分を客観視するってホントに難しいと思うんです。何かしら主観が入っちゃうので。
客観的に見ているつもりになって確認しつつ、客観的に見てくれている人に対してすり合わせることはあります。
ポールしていない人から見れば全部がすごいし、している人が見たら陥りがちな指摘の仕方ってあると思うんですよ。
それだとクリエイティブなものにならないし、固執した考えになっちゃうんですよね。
そういう細かいところって、最後の仕上げだと思うんです。
僕は過程であったり流れであったり、完成形じゃなくて過程を意識していますね。
妹がいるんですが、妹も結構指摘してくれます。
僕は自分が良いと思ったものに寄りがちなので、彼女が指摘して戻してくれる。
「僕はこういうの好きだけど、客観的に見たら違うのでいい」って尖りすぎた部分を妹が一回戻してくれるんです。
「ポールを触っていない時間も学んでいる」パフォーマーとしての姿勢
今ならフィジカル的なものかな。
体幹的な部分の総合的なレベルアップを目指していて、スタジオを借りて練習しています。
それならお金を払ってスタジオを借りたほうが集中しやすいし、ダラダラせずにやれますね。
その時間きっちり練習する感じです。
アスリートやスポーツ選手なら週4~5日で調整しながらやるべきだと思うんですが、僕はアスリートじゃなくてパフォーマーだから、いろんなものを見て感性を受けて表現しないといけない。
ポールを触っている時間は短くても、学んでいる時間は多いですね。
パフォーマーは矛先がその時々で変わっていく。
その違いですね。
今日のショーは良かったとか、今日は盛り上がったとか。パフォーマーは毎回同じことをしても盛り上がるわけではないので、結果の出し方が違うんですよね。
アスリートは対自分。パフォーマーは対お客さん。
あとは技を急がないことですね。
自分のレベルに合った部分をしっかりやること。
「今はポールにこれくらい慣れてきたから、練習もこれくらいにしよう」みたいな。焦らずにやっています。
対照的に相方は焦っていろんなことをして、いろんなケガをしているんで(笑)
練習している時の、ちょうど技が出来そうになっている感じがいちばん楽しいです。
今年に入って相方が地元に帰ってしまった時は、別れが辛くて悲しかったです。
ポールをしている写真じゃなくて、ただスッと立っている写真を見て、「この人めちゃくちゃすごいな」って。
亮太さんのビジュアルの良さやオーラ、カメラ越しに伝わるものにすごくインスピレーションを受けました。
「こういうテイストならお前のほうが向いてるよね」「こういうものを取り入れるなら僕のほうが向いてるよね」って分担して役割を決めています。
それぞれで調べてきて、アイデアを出し合う感じで。
普通にかっこいいものもやるし、いろんなことをやっています。
相方はストリップ系が好きなので、エロいものを引っ張ってきます(笑)
セミナーやコンサルに200万。自己投資をしてビジネスを学ぶ
女性が見ても興奮するし、男性が見てもワクワクする、そんなチームを作りたくて。
アメリカの男性パフォーマーによる総合エンターテイメントを参考にして、日本のテイストに変えて発信していこうと考えています。
今までは、ポールはポール、バトンはバトンと住み分けがされていた。
その垣根を取り払って、「パフォーマンス」と一括りにした状態で発信していきたいんです。
今集まっているメンバーの中には、各ジャンルでの世界チャンピオンやアジアチャンピオンがいます。
あとは売り出し方ですね。
メンズポールダンサー・CIMA(@cmcm4747)がプロデュースする新しい形の男性エンターテイメント集団。
「パフォーマー同士の垣根を取り払う」をコンセプトに、男女ともに楽しめるエンタメショーを企画中。
詳細は今夜公開のインタビュー記事にて。
前回インタビュー記事↓https://t.co/joKsGtCgKc pic.twitter.com/G1Aod028uu
— 倉本菜生|編集ライター (@0ElectricSheep0) August 11, 2020
2年間で本は100冊読んで、セミナー参加やコンサルに200万くらい使いました。
ダンスが好きだったので進学したんですが、大学に行きながら練習して、夜はコンビニでバイトして、朝になったらまた大学に行って……ってサイクルで生活していて。
それを続けていたある日、「なんで俺、学校に行ってんだろ。何のためにバイトやってるんだろう。ダンスやりたいだけなのにな」ってなっちゃったんです。
それならコンビニで時給で働くよりも、自分のアイディアや時間が対価に変わるような勉強をしよう、そういう仕事をしようって思いました。
そこから自分の人生がシフトチェンジしていきましたね。
僕は大学に行くことによって、自分の価値をお金に換えようって気付いたんですよ。
学校に行ったからこそ経験して気付けたので、行く意味はあったと思います。
高校を出てそのまま就職していたら、何も気付けず今の生活はなかったと思うので。
どう捉えるかも含めて、僕は意味があったと思います。
パフォーマーとしてだけでなく、ビジネスマンとしての考えも持ちながら活動しているCIMAさん。
8月15日公開の連載最終回では、「自分を変える」と決めたエピソードや、「自分を変えたい」と思っている人へのメッセージをお送りします!
大学院で歴史学を研究しつつフリーライターとして活動中。研究してない研究者代表。
福岡県出身。関西に魂を売ってしまった女。
小難しい話はもちろん、美味しいもの・可愛いもの・キレイなものが好き。
「日本全国、隣町」を掲げるアクティブ人間。