医療ドラマってやたらと医療従事者に「ありえない!」と言われていますよね。
今期の医療ドラマ『アンサングシンデレラ』でも多数のツッコミがされているようで、Twitterでアンサングシンデレラと検索すると、候補に「ありえない」と出てきます。
ありえない度で言えば刑事物ドラマの方がよっぽどありえない気がしますが、医療ドラマだとなぜかツッコミが激しい気がします。
そこで看護師である私が、なぜ医療従事者は医療ドラマにツッコミをいれてしまうのかを考えてみました!
医療ドラマは現実っぽく作られているように見える
医療ドラマは刑事物に比べて現実っぽく感じませんか?
医療ドラマは感動系か恋愛系が大半を占めるのに対して、刑事ドラマはアクション性の高いものが多いです。
アクションや銃撃戦などは私たちにとって非日常。だから見ている側もフィクションと感じやすい。
一方で、感動系や恋愛系のストーリーは身近に起こりそうな日常感があり、現実っぽく見えてしまいます。
そのため「現実っぽく作っているように見える」けど「医療従事者から見ると現実と離れている」部分にツッコミを入れたくなってしまうのでしょう。
自分の職業に誇りを持っている
自分の仕事を誇りに思っている人が、医療従事者は他の業種に比べて多いです。
誇りに思うのは良いことですが、ドラマの視聴においては「自分の職業を汚されたくない」という思いが働いていると思います。
その結果、ちょっとした違いに過剰に反応して「バカにされている」と感じてしまうんです。
典型例として、2019年4月に放送された『白衣の戦士』というドラマは、タイトルでも戦士という言葉を使っており、看護師の過酷さをテーマにしていると思われていました。
しかし、蓋を開けてみると『ナースのお仕事』を連想させるドタバタコメディだったため、看護師界隈で炎上していたのを記憶しています。
医療知識は特別な物だと思っている
医療知識を特別なものだと思っている医療従事者は多いです。
職業に誇りを持っているという話に通ずる部分でもありますね。
私もそのひとりです。
ネットなどで医療の専門職ではない人が医療について語るのは、とても危険だと感じています。
些細なミスが患者さんの命を左右しますし、患者さんの間違った医療知識によって状態が悪化することもあります。
だからこそ、医療従事者は医療知識を特別なものと思っているんです。
医療においては間違った知識が命を左右しかねない。
そういう強い思いがあるからこそ、ツッコミたくなるのかもしれません。
医療ドラマも割り切れば楽しめる
医療職者の中には「ドラマで仕事を連想したくない」「ツッコミどころ満載でイライラする」と見ない人もいますが、私は割り切れば楽しいと思っています。
今放送している『アンサングシンデレラ』も、時には「おいおい」と思ってしまうこともありますし、声にしちゃうかもしれませんが楽しんで見ています。
医療従事者特有の理由があるんだなと思って、医療従事者が医療ドラマにツッコミを入れていても暖かい目で見守ってあげてください。
ちなみに、『アンサングシンデレラ』はFODプレミアムで配信されているので、見逃した方はぜひ見てみてください。
フリーライターや派遣看護師、塾講師などをしながら生きている人。
元ひもだったりもする。