72歳からの挑戦。イオングループの元専務がYouTubeデビュー!

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2020年4月に開設されたYouTubeチャンネル『2ndステージ』。国内外に向けて、日本の和食文化を紹介する動画を制作・公開しています。

このチャンネルの製作プロデューサーは、なんと御年72歳の男性。そして出演者・撮影スタッフは40代から50代です。20代をメインとするYouTuberの中では異色と言えます。

少子高齢化が進み、定年の引き上げが推奨される昨今、70代からの新たな挑戦は私たち若者にどんな影響を与えてくれるのでしょうか。

「なぜYouTubeなのか?」その疑問も含め、動画プロデューサーである浅井健吉さんにお話を伺いました。

撮影を担当している、映像制作会社のプロたちのこだわりに密着した記事はこちらから↓

現職のひらめきからYouTubeの世界へ

本人提供写真

浅井健吉さん
1948年生まれ、京都出身。
経営コンサルタント集団 ホットビズ コンサルティングファーム2ndステージ合同会社代表。

〈経歴〉
*ジャスコ株式会社(現イオン株式会社)
現場経験ののち、子供服の自社ブランド品開発グループにて10年勤務。
*レッドロブスタージャパン株式会社(イオンとアメリカの合弁会社。飲食チェーン)営業本部長として10年勤務。
*イオンの中国出店プロジェクトリーダーを3年経験。
*イギリスブランド ボディショップ(化粧品チェーン)専務として10年勤務。
*イオン ネット関連子会社 専務として2年勤務。

「司馬遼太郎の描く土方歳三が好きで、そのようなNo2ポジションが好きで、社長就任は辞退し続けました(笑)」
そう語る浅井さんは、経歴だけを見ても誰もが憧れる理想のビジネスマンです。
そんな彼がなぜ、YouTubeチャンネル製作に乗り出したのでしょう?

チャンネルを始めたきっかけを教えてください。
倉本菜生
倉本菜生

2019年後半より、「チャレンジ80(80才まで仕事に取り組む)」をテーマに、自己の業務を戦略的に見直そうと思いました。

 

現業の経営コンサル業務での提言・サポートでの目的は、サポート企業の利益を上げることです。そのためには収入(売上)を増やすか支出(経費)を減らすかですね。
各企業ともに売上増加には真剣な取り組みが行われる一方で、経費削減についてはどこから手を付ければ良いのかが分からない企業が多いんです。

 

経費削減のために、本来いちばん取り組むべきは人件費です。
人員カットではなく、コストセンターである事務を効率化し、プロフィットセンターである営業職への配置ウェイトを高めることが求められます。

 

事務業務の効率化を推進しようとしていく上でポイントになってくるのが、定型業務のプログラミング化と、企業として使うべき指標の統一化です。
そのためのプログラミングの概念や、ソフトそのものの導入を提唱していく中で、1社ずつプレゼンしていくのに思わぬ時間と実務現場の抵抗があることに気付きました。

 

そこでセミナーの開催も考えましたが、その集客や会場設備に手間と費用がかかるため、うまくYouTubeを上手く使えないかと考えるようになりました。

現在のお仕事での経験がきっかけなんですね。
倉本菜生
倉本菜生

そうです。
YouTubeを使ったやり方を考えている時に、毎月訪れていた京料理店のオーナーである一平さんとYouTubeの利用で話が盛り上がり、今回の企画が生まれました。

 

難易度の高い事務の効率化をYouTubeで発信する前に、難易度が低く関心が高いであろう食番組でYouTube を活用するのが先ではないかと考えたんです。

 

ただ、「京料理を日本人向け」にだけでは、なかなかアクセスに結びつかないのではと思いました。
そこで、「日本あるいは京都に関心の高い外国人向け」をメインターゲットに、日本人をサブターゲットにしようと決めました。

 

チャンネル初期は映像の質を重視したく、成果報酬型でプロを使えないかと、今年に入って映像関係のプロで学友であるKさんにも相談をしていました。
そんな折に、このコロナ騒動でよりスピードを速められ、なんとか実現に至った感じです。

大企業からの独立。ネット時代の到来を実感。

レッドロブスタージャパン35周年記念のパーティーにて

浅井さんのご経歴を見ると、名だたる大企業で活躍されていたようですが、そこから独立されたきっかけは何でしょうか。
倉本菜生
倉本菜生

58歳の時に定年が65歳に延び、65歳からでは「やりたいことに取り組めない」と思って独立しました。
「やりたいこと」とは、なにがしたいのかではなく、興味の有無で全て自分の意志で出来る仕事、という意味です。

 

以来、中小企業の経営コンサルタントに取り組んできました。ただコンサルでは、思うようにいかず、じれったい部分があり……。
70歳になって「チャレンジ80」としてできる限り自分で出来ること、したいことだけに取り組みたいと感じるようになりました。

 

プログラミング関係では1980年代からコンピューターに関心が高くなり、特に表計算ソフトの簡便さに魅了されました。
イオンのネット子会社にいたので、ネット時代の到来を実感できていたのもありますね。
ネット系の新しいモノには率先して試していたので全く抵抗なく、むしろなんとか利用出来ないかとは常々思っていました。

そういった背景もYouTube参入の決め手となった感じでしょうか。YouTuberのメインは若年層ですが、その中に飛び込むのは怖くありませんでしたか?
倉本菜生
倉本菜生

私自身、YouTubeは結構見ていたので特には感じていませんね。
チャンネルのメインターゲットが「日本あるいは京都に関心の高い外国人向け」ですからね。。

 

YouTubeは投稿した映像を自分で消さない限り、記録として、大げさには自分の人生の記録として形に残ります。幸運にもヒットすれば心にも残りますし。

 

また、YouTubeはGoogle傘下になったので、そのアナリティクスも魅力的ですね。
大学時代に統計ゼミであったこともあり、趣味的に数字や統計分析が好きです。
データマイニングやAIに将来性を感じています。ちょっとフリークです(笑)

 

「チャレンジ80」の基本は、「チャレンジ&エラーしてこそ進歩する」なので、数字で結果が見えるとやる気も出ます。

プロデューサーとしてこだわっていることは?
倉本菜生
倉本菜生

ふるさとである京都の良さを知ってもらうことと、国内外の有望YouTuberの発見・育成、そのためのディレクション&プロデュース活動。これが今の目的です。

 

記録に残り、他人が観るので質的には高いものを維持していこうと考えています。外国人と日本人に京都の魅力を感じてほしいですね。その第一歩が京料理です。
共感を呼べて、自分の心の豊かさの発露場所になれば嬉しいかな。

 

自分のこだわりよりも、京都の魅力をYouTubeの視聴者がどう感じているのかが分かれば楽しいです。その意味で、まだ暗中模索状態ですけどね。

チャンネル製作にあたり、一番苦労したことを教えてください。
倉本菜生
倉本菜生

今シリーズの中では、字幕編集ですね。料理・食材の専門用語の翻訳とか。
それと、映像・編集を今はプロがやってくれているけど、そのあとは……。
これからですね、他のSNSとの連携発信を含めて考えていかなければならないです。

目指しているチャンネル登録数や収益は?
倉本菜生
倉本菜生
まず目標にしているのが、登録数1000、視聴時間4000時間。これがYouTube パートナー プログラム(YPP)の最低資格なので。
収益はあとから考えます。賛同者が増えて、成果報酬で分け合えれば最高ですが、そこが第一の目的ではないので。

好きなコトを仕事にして生きていきたい若年層へ

仕事には厳しいが、プライベートでは陽気な表情を見せる浅井さん

好きなコトを仕事にして生きていきたい若年層や、転職や起業・独立を考えている人へのメッセージをお願いします。
倉本菜生
倉本菜生

進歩する環境、一般的には就職先企業にいてこそ自分の進歩があります。
卒業して最初からすぐに好きな事で独立して、社会に認められるほどに生活基盤がそこそこ安定させられるのは、天才かよほどの秀才です。学問的にではなく、商売的な意味でね。

 

まずは、数年、出来れば10年程度は、成長見込みのある企業に属せるようになること。
そこで人・モノ・金の流れや、仕組みの基礎だけはしっかりと学ぶこと。

 

転職や起業をしたい人は、チャレンジ精神と絶対大事なリスクヘッジのバランスを考えてください。

 

あとは、人との接し方や考え方も大事です。
19世紀の中心国だったイギリスの歴史や、20世紀のアメリカ・日本、21世紀の中国との直接の仕事を通じて感じたことですが……。

 

国とか人種とか、「あの人たち」とかのくくりで人を見るのでなく、その集団の中にいる個々人ごとに個性や良し悪しがある、そういう見方をしましょう。
当然、自分からみて好き嫌いがあると思います。
それを見つめて、心を交わせる人との縁、繋がりを大事にしていくことがとっても重要です。

 

そのためには、自分自身が誠実で有ること。それが人生の後半・終盤に効いてきます。
私もYouTube製作にあたり、半世紀前から付き合いのある友人たちにはお世話になりました。

浅井さんがプロデュースするYouTubeチャンネルの動画製作。実際にどのようにして行われているのか気になりませんか?

今回、その撮影現場に密着取材してきました!