働き方改革で、「残業を減らそう」という動きがあちこちの企業で増えてきていますね。
「ワークライフバランスを大切にしよう」なんて言葉も耳にしたことはあるのでは?
実際に、今の20代30代の方は企業を選ぶ条件として“残業の少なさ”を求めている傾向にあります。
しかし、いまだに管理職の人たちから“残業している人が評価されている”会社も存在しているのが現状。
そのような環境に身をおいていると「残業をしないのは良くないことなんだろうか」と悩んでしまうかもしれません。
そこで今回は、「残業したくない」という思いは間違っていない理由や、残業を避ける方法について紹介します。
もくじ
「残業したくない」のは悪いこと?
残業をしたくない!というと、「甘えだ」「社会人としてなっていない」と批判的にいう人もいますよね。
しかし、”残業をしない”のは社会人として正当の意見なのです。
なぜなら、国が残業に対して厳しく見ているから。
会社で働く人が定時以外の”時間外労働””休日出勤”をする場合、労働基準法第36条に基づき労使協定を結ばなくてはなりません。
時間外に労働をする場合、会社は「残業させる理由」や「業務内容」などを決める必要があります。
また、労働基準法第32条には原則として「1日8時間、週40時間」以上働かせてはいけないとしています。
これだけいろんな制約があると、会社としてはあまり残業を進めたくないはずですよね。
それでも残業をせざるを得ない状況になってしまうのはなぜなのでしょうか。
デキる人ほど定時退社を心がけている!その理由とは
上記の図は、厚生労働省が発表した各国における週の残業時間です。
週労働が40時間を超えている人が日本では18.3%(男性26.3%、女性8.3%)もいます。
アメリカ・イギリス・フランス・ドイツなど先進国の中で最も多いことを知ってる人も多いはず。
同じ先進国なのにどうしてここまで日本と各国では残業への意識に差が出てしまうのでしょうか?
残業が当たり前ではないことを理解している
日本では、残業が「当たり前」と思っている人が多いです。
新入社員の頃は定時退社をしていたとしても、周りの雰囲気で「社会人は残業するもの」と思うようになった人もいるでしょう。
対して欧米などの各国では残業をするのではなく、早上がりする社員が優秀であると評価されます。
残業する社員=仕事ができない・効率が悪いというイメージがあるためですね。
日本で働いていると、「残業して頑張っている方が会社として利益なんじゃないか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、実際に仕事に対してかかる人件費コストを計算してみます。
給料(基本給)20万円で
100の仕事を8時間の間に終わらせるAさん
100の仕事を10時間(残業2時間)で終わらせるAさん
給料20万円の2人が1日あたりにもらえる時給は
200,000円(給料)÷21日(出社日数)÷8時間(1日の労働時間)=1,190円/時間
つまりAさんは1,190円×8時間=9,520円が日給となります。
つづいてBさんはこの9,250円に残業代が乗ります。
残業代の計算方法は1時間あたりの賃金×割増率1.25×残業時間となります。
よって1,190円×1.25×2時間=2,975円
これを基本給に合わせてBさんの給料は
9,250円+2,975円=12,225円
となります。
100の仕事をする場合、1の仕事にかかるお金を考えると
Aさん=9,250円÷100(仕事量)=92.5円
Bさん=12,225円÷100(仕事量)=122.25円
1つの仕事を完成させるのにかかる人件費はAさんのほうが29.75円節約になっているんです。
会社にとって、残業をしないことこそ経費削減の一手。
仕事のデキる人ほど、会社にとっての利益をよく理解しています。
そのため、効率よく仕事をして時間内に仕事を終わらせ定時に帰るのです。
残業をして仕事を完成させてしまうと人員補充されない
本来、会社は定時内で仕事を終わらせることができるように仕事を組む必要があります。
なぜなら、定時内で働く契約であなたには基本給が払われているわけですから。
しかし、日本人は責任感が強く頼まれた仕事を残業しても終わらせようとします。
すると「今の人員でどうにかして回るんだ」と経営層が勘違いしてしまうことに。
この勘違いが解消されないといつまでも人員補充はされません。
月に数回の残業であれば「たまにはいいか」と思えるかもしれません。
しかし、人員不足なのに仕事が増えることで”強制的に毎日”残業しなくてはならなくなったらどうでしょうか。
心身ともにもたなくなってしまいますよね。
仕事のデキる人は、このことを理解しています。
無理に残業をして仕事を完成させるのではなく、「人員不足であること」を管理職の人に言葉でも状況でも示すように動くのです。
残業を回避するには?
では、実際に残業をしない人になるにはどういうことをすればいいのでしょうか?
効率よく仕事を終わらせるためには3つのことを意識してみてください。
業務の優先順位を決めておく
やるべき仕事をリストアップして、緊急性や重要度の高さ別に分けてスケジュールを決めましょう。
作業に時間がかかる業務と時間のかからない業務がある場合、先に時間がかかる業務に取り組むのがベター。
ついつい時間のかからない業務から先に終わらせようと思ってしまいますが、そうすると定時間近で時間のかかる業務をやることに。
優先順位を決めて、細かくスケジュールを設定することに慣れておくと仕事がはかどりやすくなりますよ。
時間を区切って仕事をする
仕事がたくさんあると、ずっとダラダラ作業をしてしまいがち。
しかし、作業効率をあげるには1つの工程ごとに少し休憩を入れるのがおすすめです。
休憩を取ることで、作業ごとの切り替えができ疲労やストレスが溜まりにくくなります。
どこで休憩をとるのかは、事前にスケジュールの中に入れておきましょう。
細かく入れすぎると作業が進まないので、大きく分けた工程ごとにいれてくださいね。
自動化できる部分は積極的に
テクノロジーの進歩により、今は自動化できるツールが大幅に増えています。
積極的に取り入れていきましょう。
システムの入れ始めは慣れないことが多く時間がかかり、億劫に感じるかもしれません。
しかし、慣れてくると今後かなりの手間が省け時間短縮につながります。
とくに、毎日のように同じ作業をしているようなものがおすすめ。
システムを入れなくても、マクロを利用してexcelやword・メールを使って簡単に仕事を処理できる場合もあります。
インターネット上でテンプレートを公開している企業もあるのでぜひ探してみてください。
力の入れ具合を仕事によって変える
仕事を進めている中で、ずっと力を入れていては疲れてしまいます。
集中力ももたなくなり、ミスが増えてしまいます。
仕事で力を入れるべきタイミングを掴んでおきましょう。
例えば、ペンキ塗りをイメージしてみてください。
一度目は全体を均すように力を抜いて塗ります。(仕事では7割方を仕上げるイメージ)
二度目は塗り残しの内容に塗っていきます。(仕事では9.9割方を仕上げるイメージ)
そして最後は塗り残しがないかを見ていきます。(やり残しがないか最終チェック)
この中で一番力を入れなくてはいけないのは最終チェックです。
1度目、2度目は未来の自分に仕事を提出するようなもの。
ミスがあっても自分で解決できます。
逆に、最終チェックが終わったあとは先方もしくは上司への提出が必要になるのでミスを無くしたいですよね。
そのため最終チェックに力を入れておきたいわけです。
このように、どのタイミングでどのように力を入れて仕事をするのか自分の中でルールを決めておきましょう。
理解されない職場なら転職も視野に
「残業をしなければ上司からの圧力がすごい」
「残業をしていないという理由で新たな仕事を押し付けられる」
など、職場環境が原因で残業を免れることが出来ない場合、転職を視野に入れてみてください。
おすすめは色々な業界を扱っていてエージェントサービスが無料であるdodaです。
転職を今すぐする気がなくても、エージェントさんに相談すれば色々な企業の情報を教えてくれます。
まとめ
残業をしないことは本来会社にとってもメリットがあるもの。
そのため、残業を「当たり前」だと考え諦める必要はありません。
工夫次第で、残業をせず帰ることは可能なのです。
残業するように圧力をかけられるような職場環境の人は、転職や部署異動で職場環境を変えることから検討してみましょう。
「働いていて楽しい」と感じる働き方がきっと見つかるはずです。
残業をしないことは甘えではなく、あなた自身が優秀だからです。
そのことを自覚し、今の働き方に対して改めて向き合ってみてくださいね。
それでは!
ナナミル編集部。トレンド、ドラマレビュー、アニメ、まとめ記事を担当しております。