昨今、副業や複業が盛んになっている背景には、社会的価値観の揺らぎがある。
「大企業に就職さえすれば、生涯安泰」という考え方が崩壊してきているのだ。
その結果、リスク分散のために収入の柱を複数持とうとする人が増えている。
以前の記事で伝えたように、私は複業をやるしかなかった人間だ。
自分のことを落ちぶれた奴だと思っていた。
自分が正社員で挫折したからこそ、企業で働きながら副業も頑張っている人は尊敬しているし、「大変そうだな」と感じている。
副業といっても様々な仕事(稼ぎ方)があるが、収入の柱になるまでには地道な努力と時間が必要だ。定時まで働き、空いた時間を使って副業……自由な時間はあるのだろうか?
実は、時間を自由に使いながら稼げてリスク分散もできる、最強の働き方がある。
それが複業フリーランスだ。
副業と複業の違いってなに?
複業フリーランス最強論を話す前に、副業と複業の違いをはっきりさせておこう。
デジタル大辞泉によると、次のように記されている。
【副業】
本業のかたわらにする仕事。【複業】
複数の本業を持つこと。副業のような片手間仕事としてではなく、生業として別の業種を二つ以上兼務すること。デジタル大辞泉より
きちんとした意味を知ると、言葉に対するイメージも変わってくるだろう。
とはいえSNS上では、「副業を本気でやっています!」と片手間ではなく真剣な人が多い。
自然と副業から複業になっている人も多そうだ。
しかし副業と複業の違いのキモは、別の業種を2つ以上兼務することだと思う。
具体例を見ていこう。
これは1業種なので副業。
こちらは、証券マンとライターの2種なので複業と言える。
これだとプログラマーと販売業で別職種だが、片手間に行っているものなので副業となる。
つまり複数の職種をそれぞれプロとして行うのが複業だ。
複業フリーランス最強論
複業フリーランスはなぜ最強なのか?
冒頭で言ったように、リスク分散のために収入の柱を増やせるからだ。
『大企業に勤めているけど、倒産やリストラのリスクがあるので、自分でも稼げるようになろう』
この考えは副業・複業に共通する。
しかし副業(1業種)であれば、その業界全体が揺らいでしまうと稼げなくなってしまう可能性がある。
複業(2業種以上)で稼ぐことが可能になっていれば、1つの業界が倒れたとしてもなんとかやっていけるだろう。
なおかつフリーランスであれば業界の行き来がしやすくなるため、よりリスク分散をしながら仕事ができるのだ。
複数の業種をこなすことで相互作用を起こす
フリーランスで複数の業種を経験するメリットは他にもある。業種間での相互作用だ。
私は主にライター、看護師、家庭教師を行っている。
ライターとして看護師や家庭教師の知識を活用して記事を執筆することもあれば、記事を見てくださった方から家庭教師の依頼をされたこともある。
棚からぼた餅が降ってきたような出来事だったが、フリーランスでなければ柔軟に対応することができず、せっかくのチャンスを見送ることしかできなかっただろう。
もちろん企業に属するのは、リスクだけでなくメリットも多い。
しかし複業として本気で取り組むのであれば、より柔軟に対応できるよう、縛りはなくした方が良いのではないだろうか?
スケジュール管理も自分次第
自分で自由にスケジュール管理ができるのも、フリーランスならではのメリットだ。
始業や終業時間はもちろん、休日だって自分次第で決められる。
仕事の量や進捗に合わせて「プライベートの時間」をしっかり確保できるのだ。
私の場合、「〇曜日と〇曜日は病院で看護師のアルバイト、〇曜日はライターの仕事をして、土日は彼女と過ごす」といったスケジュールで働いている。
複業フリーランスの場合、「この曜日はこの仕事」と決めてしまうのも効果的だ。
メリハリを付けることで頭や心の切り替えがしやすいし、「仕事に追われて大変!」ともなりにくい。
スケジュールやタスク管理が苦手な人は慣れるまで大変だが、ペースさえ掴めてしまえばゆとりある生活が実現する。
正社員だけど残業続きで自分の時間が持てない……そういう人こそ、ぜひ一度複業フリーランスの道を検討してみてほしい。
個人で稼ぐ時代
所属元に関係なく、「個人が稼ぐ時代」と言われてきている。
しかし大企業なら安泰という考えが崩れてきていることを考えると、「個人で稼がなければならない時代」に突入しているのかもしれない。
先が読めない世の中、稼げる手段はたくさん持っていた方が安心だ。
1つのことを極めて唯一無二の存在になるのは難しい。
2つ3つと高め合わせながらリスク分散する、複業という生き方をしてみるのはどうだろうか。
フリーライターや派遣看護師、塾講師などをしながら生きている人。
元ひもだったりもする。